こんにちは。
2016年度運営チームのざわ子です。
今回インタビューさせていただいたのは、
現在、時短を取りながら二人のお子さんを育てているHさん。
第一子復職時の失敗を踏まえ、
第二子復職時には育休プチMBAで得たことをどう活かしたのか、
詳しくお話を伺っていきたいと思います。
経歴やお仕事内容、お子様の年齢についてお聞かせください。
現職の前は、広告代理店でマーケティングプランナーとして働いていました。この時、激務により体調を崩したこともあり、結婚・出産を見据えて転職しました。現在は、前職も活かして、学校法人の広報担当として働いています。転職の際は、これまでの業種よりもいくらか負担は減るだろうと想像していましたが、そうではなく、“教育”という見えないものを扱うことの大変さを感じています。転職後、すぐに第一子を授かり、今は4歳と1歳の娘を育てています。
転職後、勤務年数2年で育休を取得されたとのことでしたが、その中で大変だったことはありましたか。
よく「信頼貯金を作ってから産んだ方が良い」と聞きますが、転職2年目に妊娠したその時、自分が担当する業務で“結果を出すこと”に注力するあまり、チームで働くことの意味どころか、職場内での信頼を得ることへの意識がありませんでした。
第一子の復職時、私は正職員として非正規職員のチームを管理する立場にいたのですが、チームメンバーは、私よりも年上で独身の方が多く、元々は別会社で正社員として活躍していたスキルの高い人たちばかりでした。
そのとき、コミュニケーションをもっと取ればよかったのですが、子育てしていない方に自分の立場は分からないだろう、と勝手に思い込み、かつ、「ママ社員は使えない」と思われたくない、少しでも信頼してもらえる人になりたいとの思いから、大量の仕事を抱え込んでいました。仕事は、家にも持ち帰って子どもを寝かしつけた後に、なんとか対応する日々を送りました。この頃は、家庭もギクシャクし始め始めました。
上司には「出産前と変わらずやっているね」と言っていただけたものの、相当無理をして仕事していても、周りにとっては当たり前になってしまっており、負担感が大きく、疲弊する日々でした。第一子時の復職はうまくいっていなかったと思います。
Hさんは、第二子の妊娠中に育休プチMBA勉強会(以下、育休プチ)に出会ったとのことですが、第一子復職時の失敗を踏まえて学んだことはありましたか。
育休プチに出会うまでは、「組織の目標を達成さえすれば評価される、認められる」という思い込みがありました。育休プチで、目標や結果とは直接関係なく見える
「コミュニケーション」「職場の空気を良くすること」も非常に重要だと学びました。その上で、
組織にとって「自分をどう生かすことが最も貢献につながるか」を考えるようになりました。
例えば、職場での信頼を得るコツとして「皆のやりたくないことを率先してやる」ということがあると思います。ただ、皆のやりたくないことのうち、時間がかかることをやってしまうと、ただでさえ制約がある中、業務が遂行できません。そこで「時間がかからず皆がやりたくないこと」を考えました。
その中の一つは、他部署や学外との調整業務です。職人気質なメンバーの中には、コミュニケーションが苦手で、人との調整業務を敬遠する傾向があったため、その業務を引き受けました。他にも、学外に人脈を築いたり・情報をとってくる、など、次第に調整するだけでなく、情報が入ってくる仕組みもつくるようにしました。それにより、自分が人より多くの情報・人脈を持っていることが強みとなり、上司やチームメンバーから頼りにされるようになってきました。
他にも、育休プチ参加前後で意識が変わった点はありましたか。
上司との関わり方です。先ほど話した通り、第一子の復職後は、制約がある中でも「とにかく数値をあげれば良い」と考え、生産性のためと思い、コミュニケーションを疎かにしていました。
経験や知識があったため、畑違いの部署から来た上司には、仕事を進めてしまってから事後報告していました。その結果、かなり無理をして、成果も出していたのに上司からの評価は高くありませんでした。「自分はこんなに家庭を犠牲にしてやっているのに、なぜ評価されないのか」と考えながら、二人目の育休に入りました。
その頃、育休プチに初めて参加し、
自分が上司にとって“使いづらい人”だったと気づくことができました。管理職の立場に立ったケースを通じて、結果だけではなく、過程でのきめ細やかな報連相が、想像以上に大切であることを気づかされました。
復職後、上司と話し合い、“組織の目標と自分だけ”という捉え方ではなく、間に立つ上司とコミュニケーションをとり、
上司も働きやすくなるようボスマネジメントを意識することで、信頼関係を築けるようになり、評価されるようになりました。
パートナーの協力をはじめ、家庭の体制はどのようにつくっていますか?
朝は夫、夜は自分、と時間で分けるなど、きっちり決めて役割分担しています。私は30分時短をしているため、夫とは働く時間が違うので、完全「平等」にはできないけれど「対等」であるために「納得」することを大事にしています。
具体的には、エクセルで1日の流れを書き出し、
お互い納得するように分担を決めました。また、「1.やらなければならないこと」「2.やらなくてもよいこと」「3.アウトソーシング」に分け、家事の総量を減らしたり、長女は夫、次女は自分、というような分担もしています。2人目の時は、生後3ヶ月目で復職したこともあり、両立がハードになることが予想されたので、この分担は役立ちました。
また、
「洗濯物をたたむ、食器を手洗いする、アイロンが必要な服を着る」といったことは、
やめました。掃除も自分たちでせず、シルバー人材センターに毎週依頼しています。子どもたちもシルバーさんに懐き、料理を教えてもらうこともあります。費用面でも負担が大きくないので助かっています。
病児対応としては、シッターさんを3人登録していますが、夫婦どちらかが休む時は、夫と自分のどちらがどのくらい対応したか、正の字でカウントし、なるべく平等にしています。その分、家計の負担も平等にしています。
平等にするための徹底ぶりがすごいですね。
「自分ばっかりが我慢している、不平等」という気持ちが少しでも出てくると、長期的にうまくいかなくなるので、納得感を大事にしています。例えば、今は時短を取っている分、私よりも夫の方が給料が少し多いのですが、お互いのお小遣いの額は同じになるようにしています。「今日飲み会に行ったから、今週他のどこかで飲み会に行っていいよ」と、楽しみも平等にしています。
もうひとつ、最も大事にしていることは、
お互いの仕事の状況、将来のキャリアプランを毎週共有することです。金曜の夜には、二人で洗濯物をたたみながら、翌週のお互いのTODOを出して、役割分担をするほか、仕事の悩み、やりがいなど今抱えている想いを把握するようにしています。状況を共有することで、“お互いのことを応援しよう”という気持ちになれます。
あとは、月に1回程度、義実家に行き、親に子どもを預けて、二人でドライブしながら中長期計画を立てています。私たち夫婦はゆっくりできるし、子どもたちも、おじいちゃんおばあちゃんと楽しい時間を過ごせているので、皆が幸せな形を取ることができています。
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■インタビュアーざわ子より
第一子復職時の失敗を踏まえ、第二子の育休中に育休プチで勉強し、
第二子復職時には、うまく仕事と向き合えるようになったという方は、
Hさん以外にも沢山いらっしゃいます。
「やるべきこと」は予め準備を徹底し、
「やめること」も決めていて、潔くて無駄のないHさん。
今を楽しんでいらっしゃるのが、話している空気感から伝わってきました。
Hさん、お忙しいなか、
インタビューにご協力いただきありがとうございました。
■育休プチMBA勉強会・facebookページも是非ご覧ください。
http://www.facebook.com/ikukyu.mba/
※勉強会は、現在ひと月に2回開催しています(2日程のうちどちらか一方にご参加いただけます)。Facebookページに詳細を記載していますので、是非チェックしてくださいね。