認定ファシリテーターインタビュー【加藤めぐみさん編】

「育休プチMBA勉強会」を主催する株式会社ワークシフト研究所では、全国で増加する勉強会のニーズに応えるため、認定ファシリテーターを養成しています。この度新しく認定ファリシテーターになった方にインタビューをし、ファリシテーターの素顔に迫りたいと思います。今回は第2弾です。

Q.まずはご自身について教えてくださいますか?

加藤めぐみです。現在、日本イーライリリー株式会社という米国系製薬会社にて、糖尿病の新薬開発のプロジェクト・マネジメントをしています。夫と中学3年生の息子の3人家族で、東京に住んでいます。

Q. なぜ「育休プチMBA」のファシリテーターになろうと思ったのですか?

育休プチMBAを立ち上げられた国保さんとは、慶應ビジネススクールの同級生で、育休プチMBAの活動を開始された当初からこのプログラムを知っていました。育休プチMBAは秀逸なケース教材を用いた議論を通じて、当事者としてだけでなく上司や組織の視点から考えることができ、マネジメント思考を身につけられるとてもよいプログラムです。このプログラムを、家庭と仕事の両立で悩んでいる会社の後輩たちにも受ける機会を提供したいと思ったのが、認定ファシリテーターになったきっかけです。

私自身は、慶應ビジネススクール在学中に息子を出産し、修了後に、現在の会社に復職しました。復職後は、家事も、仕事も、育児も綱渡り、毎日ジャグリングのボールを落とさないように必死で過ごしていました。でも、大変ではありながらも、強制的なOn/Offの生活を繰り返す中で、「制約がある環境は、実は自分が成長するチャンスでは」と思うようになりました。私にとっては、育児という時間的制約があったからこそ、マネジメントスキルを実際に使うという必要に迫られ、意識的に自分の仕事の範囲を超え、俯瞰的にいろんな視座・視点で考え、行動するようになりました。

そして、その時に試行錯誤しながら、家庭内での仕組みを作ったり、仕事上で優先順位づけなどを考え、毎日の仕事や家庭での経験を通じてマネジメント思考を身につけたおかげで、子供が成長し手がかからなくなった後に、再度大学院で学んだり、ボランティアをするなど、仕事と家庭以外にも楽しみの時間を持てています。あの時ジャグリングをしながらも踏ん張って本当に良かったなと思っています。

Q. 「毎日ジャグリングのボールを落とさないように必死に過ごす」というのは、復職後の女性なら誰もが通る道なのかと思います。加藤さんは「家庭内での仕組みを作った」とのことですが、どのようなことをされたのですか?

限られた時間をどこに優先的に割きたいかを考えるようになりました。自分たちはどういう家族や家庭を築きたいかを夫ともよく話します。家庭を意識的にマネジメントする、という感覚です。

具体的にいくつか挙げるとすると、

・ライフプランを作成して現在〜将来的に家庭で必要なお金を算出し、不安なく暮らせるような運用や見直しをする

・カレンダーで夫と私のスケジュールを共有し、私も夫も息子それぞれがやりたいことを実現できるように調整する

・モノの棚卸をし、生活しやすい空間づくりをし、日々のオペレーションの労力が最小限に工夫する

・自分で出来ない部分や苦手な部分を家事代行などプロの手を借りる

などです。

Q. なるほど。旦那さんとともに家庭をマネジメントするという意識が大切なのですね。加藤さんは復職されてから、「制約がある環境は、実は自分が成長するチャンスでは」と思われたとのことですが、具体的にはどのような面で成長したと思われますか?

時間の使い方が効果的になるのに加え、他のメンバーとの業務や情報の共有、標準化などの活動を、自分からどんどん進んで提案・実行するようになりました。

例えば、

・時間内に仕事が終わるように、業務を始める前に仕事の手順を考える

・業務の途中で期待をすり合わせる

・いつでも仕事を他の人に引き継げるように、業務の標準化や他のチームメンバーとの共有をする

・自分がやってうまくいかなかった穴に他の人がはまらないようにプロセスの見直しやマニュアル等で他の人に情報共有する

などです。

おかしいなと思ったことは、誰かが直してくれるのを待つのではなく、自分から「こうしたら自分が助かるので」という形でどんどん発信しました。この活動を通じて社内での認知度も高くなり、どんどん仕事がしやすくなりました。

Q.  自分からどんどん発信していくことが重要なのですね。仕事と育児を両立するにあったて、どのようなマネジメントスキルが役立つと思いますか?復職前に身につけると良いと思うスキルを教えてください。

色々あると思いますが、私は、

・目的(ありたい姿)を確認する

・俯瞰的に現状を把握する

・枠にとらわれず解決策の選択肢を考え、決断する、やらないことを決める

・周りとの協力体制を築く

が子育てを通じて身に着けたマネジメントスキルです。

復職前に限らないですが、困ったことがあった時に、立ち止まって今持っている問題を棚卸しすることが、長い目で見るととても大事です。また、選択肢を考えるときは自分の経験や身近な人の意見だけでなく、インターネットなども活用するとよいと思います。自分と同じような体験をしている人は実はたくさんいて、たくさんの知恵があるのです。

Q. 加藤さんは、どのようなファシリテーターを目指していますか?

参加した方達の経験や気づきが紡ぎ出せ、お互いに学びの多い場を作りたいです。また、育休プチMBAをきっかけとして、社内での繋がりや学び合える関係づくりもできればと思っています。

Q. 最後に、受講生のメッセージをお願いします。

子供を持ちながら働くことは、この一瞬で見ると大変なことがたくさんです。でも、子供はどんどん成長し、今のままではありません。そして、私たちの長い人生の中、職場環境やそれまでの働き方の見直しなどを通じて、立ち止まり人生を振り返り、自分のスキルややりたいことを棚卸ししできるのは、これからの自分の未来にとってはとても良い機会です。こう捉えられると、本当に楽しいことや発見の連続です。一緒に、ピンチをチャンスに変え、一生モノのスキルを身につけましょう。子供を持つことと働くことの楽しさやワクワクをより多くの人と分かち合えると嬉しいです。

ーーインタビューを終えて

加藤さんは、お子様が大きくなってからはプロボノとしてプロジェクト・マネジメントのスキルを社外で活かしたり、PTA活動のマネジメントもされたそうです。また仕事のマネジメントスキルを家庭に生かすことがとても面白かったため、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程にて家庭のマネジメントについての研究し、今年3月に修了されたことも教えてくださいました。

思わず惹きつけられる、輝く笑顔からは想像できないほど意欲的に活動されていますが、加藤さんのファシリテーションは場を温かく包み込むような安心感があります。これからも加藤さんのファシリテーションによって多くの方が大切な気づきや学びを得られることと確信しています。