子育てしながら働く罪悪感を乗り越えるのではなく、大切にしていきたいという思いに至った話
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”子どもを持ちながら働く”が当たり前になる社会を目指して――
育休中・復職している方も含めた多様なメンバーが集まる『育プチライター』によるブログシリーズ。
ときに悩み、ときに自分を奮い立たせ、でも前向きに楽しく”子どもを持ちながら働く”を実践中!そんな方たちのリアルをお届けします。
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2人の子どもを育てながら、婦人科悪性腫瘍のトレーニングをしている産婦人科医です。子育てをしながら働いていると、家族にも、職場の同僚にも、そして患者さんにも中途半端になっていることに罪悪感を抱いてしまうが、この罪悪感を前向きに捉え直したい、と思って、このブログに参加しています。
前回は「母親は子どもに尽くすべき」と「医師は自分のプライベートは後回しにして、患者に尽くすべき」という二つの無意識バイアスによって罪悪感が生まれているのではないか、そしてこの二つは実は誤解や時代遅れの考えなのではないか、と結論づけました。しかし、本当にそれだけなのか、どうもすっきりしません。
無意識バイアスは「誰もが潜在的に持っている偏見、無意識の内に脳内に刻まれた固定観念・既成概念」 (男女共同参画学協会連絡会)と定義されます。
とすると「母親は子どもに尽くすべき、医師は患者に尽くすべき」というのは、ある部分では見習うべき規範であり、直ちに手放すべき「女性は能力が低い、男性よりも仕事に対する意欲がない」というような明らかな無意識バイアスとは異なるようです。
では、この「申し訳ない」という罪悪感は何から生まれるのか。
ヒントになったのは
「不安や疑念があるのは新しいことに挑戦しているから」
(一瞬で人生を変えるお金の秘密 happy money Ken Honda)
という言葉でした。
私は「他者の幸福に貢献できる人間になりたい」という欲求があるのですが、罪悪感を感じるのは「家族、同僚、そして患者さんの幸福にもっと貢献できたのに十分な働きができなかった」という時です。私は親業も医師業も同時に行って、家族の幸福にも患者さんの幸福にも貢献するという「新しいことに挑戦している」から十分な働きができているのだろうかと不安になったり、罪悪感を抱いたりするのではないのか、と考えました。
つまり罪悪感を感じることとは、私がよりよく生きようとしていることであり、次に同じシチュエーションに遭遇した時はどう行動したら良いか、また他のタイミングで補えないのか、を考えるきっかけにできそうです。罪悪感を乗り越えるのではなく、大切に向き合えば、自分の成長のパートナーとできるのではないか、と。
3回のブログを通して、「子育てしながら働くことによる罪悪感」について、自分の内面を見つめながら考えてきました。罪悪感の一部は自分自身が持つ無意識バイアスによって生まれており、この部分は無意識バイアスに気づき、客観的事実と照らし合わせながら、少しずつ手放していきたいです。一方、ある部分は私が他者の幸福にもっと貢献したい、よりよく生きたいという意識の表れであり、これは、自分の能力を向上させたり、他に代替できる手段を探したりして、自分を成長させる糧にしていきたいと思います。
最後に、夫にこんな質問をしてみました。「あなたは、男は大黒柱として一家を支えるもの、女は家事育児をやるもの、という無意識バイアスを乗り越えているように思うが、それはどうやったの?」と。夫の答えは「最初からそんな考え一切ないよ」ということでした。
真意なのか、どうかはわかりませんし、なぜそうなのか疑問が残りますが、良いパートナーを得たものだと、なんだか身内自慢のような文章でブログを閉じたいと思います。
ブログ執筆の機会をくださった運営の皆様に、心から感謝申し上げます。
かも
地方で婦人科医をしている。万年メガネが特徴。医師ではない夫と一緒に、歴史大好き、「ダーウィンが来た」大好きな小学生の女の子と、工作とお絵描きを愛する保育園生の男の子を育てている。2021年に子育てをしながら婦人科内視鏡手術の修練を行う企業セミナーの企画運営に関わったことから子育てしながら働くことについてあらためて考え直したい、と、ブログ参加を決意。
◆育休プチMBA®️は、復職後に起こり得る様々なケーススタディを用います。視座を高くもつこととはどういうことか、頭でだけではなく体感で理解できます。子どもを持ちながら働くことに不安な方、復職を控えている方、ぜひふるってご参加ください♪
オンラインは前日15時まで、会場開催は当日11時までお申し込み可能です。
◆7/28(木)11:00-14:00【会場開催】
「長時間労働の改善策を考える」
(認定ファシリテーター:大西愛歌さん登壇)
http://ptix.at/gclZoJ
◆8/9(火)10:00-13:00【オンライン】
「時間制約をどう克服するかを考える」
(認定ファシリテーター:白鳥麻郁子さん登壇)
http://ptix.at/WoIRpl
◆08/26 (金)11:00-14:00【会場開催】
「人を動かすコミュニケーション」
(認定ファシリテーター:石井寛子さん登壇)
http://ptix.at/n6b6yU